このホームページはFCSC(福岡がんサポートセンター)が管理運営しています。がん・バッテン・元気隊の情報を中心に、情報発信をしています。


空タグ
 

トップ > 治療体験談&本の紹介 > すい臓がん > すい臓がん体験記(1)

     すい臓がん体験記(1)

すい臓がん体験記(1)    /  飯塚久美子  (2011.02.02)
Profile
 はじめまして、つい先日、西日本新聞社の文化サークル「元気が出るがん患者のつどい」に入会しました飯塚です。長崎出身、博多区在住です。サークルの講師、波多江伸子先生に勧められて体験記を書くことになりました。
 昭和30年生まれの55歳、19歳(大学1年)の娘が一人いる母子家庭です。
勤務先は建築設計積算監理事務所で建築士、積算士の資格を持っていますので主に建築積算の仕事をやっています。ゼネコン(総合建設業)や設計事務所が入札に当たり工事金額を出すため建物や外構の数量を(鉄筋、コンクリート、内装材等の数量)を図面よりはじき出す仕事です。現在は休職中です。

治療の合間に中国旅行。
娘、母、妹と一緒に(左端が私)/2010年8月
発見のきっかけ
 現在膵臓がんと仲良くしているわけですが、発見のきっかけは下記のとおりです。
2010年3月下旬頃おへその表面がチクチクする感じがありました。普通なら年度末の忙しい時期でこれくらいでは病院へ行かないのですが、たまたま3月31日に図面到着が遅れ午前中に時間が取れたので近くの胃腸クリニックを受診しました。エコー検査で主に胃の周辺を診られましたが特に異状は見られないということで、胃カメラを撮ることになりました。結果、胃潰瘍が見つかり念のため組織検査に回しますので後日結果を聞きに来て下さい、とのことでした。

 これまで大きな病気はしたことがなく、入院もお産のときだけで健康だけは自信がありましたので軽い気持ちで帰りました。毎年の健康診断も欠かしたことがなく50歳過ぎて何も問題がないのは親御さんに感謝しないといけませんよと言われたくらいでしたから・・・。
 娘の大学の入学式も済ませ、4月9日に結果を聞きに行きました。

 何とびっくり!「がん細胞が見つかりました。」と言われるではありませんか。
昔と違って告知が主流と聞いてはいましたが、あまりにあっさり言われたせいか、自覚症状がなかったせいか、割と冷静に、「そうですか。」と受け止めていました。

 すぐにでも精密検査を受けて下さいと言われ、4月12日に大学病院の予約が取れました。病院の選択は一刻も早くと言われた事と自宅から近い事、大学病院なら大きいし有名だからと言ったところでしょうか。結果的に良かったと思っていますが誰にも相談せず、調べる余裕もなく決めたのはどうだったのだろうと今になって思います。通常、検査入院から治療まで同じ病院になることが多いからです。

 この時点で娘、妹、弟、勤務先、医療関係の友人へ検査結果を伝えました。80歳になる母には、13年前に母の妹が膵臓癌で亡くなっていることもあり、詳しいことがわかってから折を見て知らせることにしました。
 母の知人が亡くなったり私の発病と同じ頃名古屋の甥が骨肉腫にかかったりで、なかなか言い出せず、4月28日にやっと電話しました。娘も弟、妹もその間が苦しかったみたいです。29日は祝日でしたので、弟がすぐに母を連れてきました。
 私の顔を見て、少し痩せただけで食事もできるし歩き廻っているし元気なので、母も冷静に受け止めてくれたようです。
検査と詳しい説明
  4月12日大学病院へ。消化器内科受診。入院まで外来でできる検査はやっておきましょうとの事で、次々と予約。血液検査、胃カメラ等の検査を受けました。思ったより早く、4月19日に入院することができ、引き続き大腸検査、CT、MRI等の検査がありました。

 4月22日、消化器内科の主治医の先生より告知。原発は膵臓の尾部のがん。胃の潰瘍は膵臓がんによる浸潤、腹膜播種あり。ステージ4b。手術不可能、抗がん剤治療になる。今後は肝膵胆内科へ転科することになり、これ以上の詳しいことは肝膵胆内科の先生に聞いて下さいとのこと。娘と勤務先の同僚が同席してくれました。

 4月23日、転科。肝膵胆内科主治医の先生が出張のため、消化器内科の先生より説明がありました。

 保険診療の抗がん剤は、ジェムザールとTS-1の2種類。期待される効果としては現状維持以上。効かなければ余命半年だということでした。

 この日は私一人で話を聞きましたが、ここでもあっさりと告知。
私自身は「告知して欲しい派」ですが、中には「ちょっと待って派」の人もいると思うのです。
が、ストップをかけておくタイミングが無かったように思います。又、がんの告知は治療の為に必要だと思います(隠そうとしてもこれだけの情報社会の中隠しきれない)が、治療前の余命の告知は、しないほうが良いと思います。
 治療を尽くして本人の希望があった場合のみで良いのではないかと思いました。ホスピスへの転院を考えたり、患者本人の心の準備や残される者への配慮のためとは言っても、奇跡を信じたい気持ちは最後まであるような気もします。

 実際、末期と言われた方が長く生きていらっしゃる例はありますし、命の長さは、人知の外だと思うのです。

西日本新聞社の文化サークル
「元気が出るがん患者のつどい」