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     統合医療の道

統合医療の道    /  安吉一郎   (2010.05月)
Profile
安吉一郎
宗像市在住
人事・賃金・労務管理・人材開発に関する調査・研究・出版
株式会社産労総合研究所/医療経営情報研究所
医療経営コンサルタント
従来の西洋医療に、
保険適用が少ないジャンルを統合させて治療を行う「統合医療」
 鳩山由起夫首相は、本年(2010年)1月28日の参議院予算委員会で、民主党の山根議員の統合医療に関する質問を受け、「医療には大きく分けて、対照療法的な西洋医学、未病・予防を目指す統合医療の2つがあるとし、統合医療については今後克服すべきさまざまな問題があるとしながらも、政府として真剣に検討して推進していきたい」とその決意を述べた。

 従来、西洋医学一辺倒だった厚生労働省も、さすがに首相にこうまで言われては抗しきれず、統合医療プロジェクトチーム(PT)を発足させ、瞑想や催眠療法といった民間医療に加え、チベット医学、ホメオパシーなど世界各国の伝統医学の研究実績などの情報を収集することになった。

 「統合医療」はもともと民主党のマニュフェストにも記載されている医療面でのテーマであるが、このように政治の表舞台で真正面から取り上げられたのは、今回が初めてではないかと思う。

 最近、沖縄県普天間基地をはじめ何かと不人気の鳩山首相であるが、この度の統合医療の推進に関しては、宇宙人的と言われる首相の面目躍如であろう。
 関係者によると、首相が統合医療に関心を深めたきっかけは歯科治療で、「歯科を受診した際、歯科医が統合医療を取り入れていた。
 歯の痛みを足つぼマッサージで抑えたそうで、その実体験が大きいのではないか」という。(確かに、歯科治療に気功をはじめ東洋医学を導入している有名な歯科医がおられ、気功の本も出されています)
統合医療、とは?
 統合医療とは、鳩山首相が言われるように、救命・急性期医療の「西洋医学」と西洋医学の苦手な分野である慢性疾患・難病や自然治癒力を高める健康増進、生活・体質改善、疾病予防等に有効な「補完・代替医療」を総合的でかつ最適にコーディネイトする新しい医療である。

 米国は、日本と異なり既に「補完・代替医療」の先進国であり、1992年に国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)に代替医療事務局が設置され、1998年には国立補完代替医療センター(NCCAM:National Center for complementary and alternative medicine)に格上げされ、国家レベルで補完・代替医療の研究に取り組んでいる。この補完・代替医療の研究に中には、日本の医学会ではまず迷信とみなされる「手かざし療法」なども含まれている。
がん発生のメカニズムとは
さて、がんは統合医療との関係でどのようなものであろうか。
現在、男性の生涯において2人に一人はがんに罹患する(女性は3人に一人)と言われ、また、3人に一人はがんで亡くなっている。人口高齢化に伴い、がんになるか、認知症になるかどちらかと言われる時代であり、まさにがんは21世紀の国民病である。

 がんの発生メカニズムについて、西洋医学では、正常な細胞を突然がん細胞に豹変させてしまう、排ガスや喫煙、食品添加物等の外的な発がん性物質が原因とみられている。
 しかしながら、がんの原因は、前述の発がん性物質だけでなく、食生活や嗜好の偏り、過剰な紫外線、過労、ウイルス感染、怪我や肉体的なストレス、仕事上の苦悩、夫婦関係や人間関係の悩み、肉親の死などのショック、老化、環境汚染など、他面的な要因が複雑に絡み合っていると考えられる。

 これらの生活の中のあらゆる要因により、体内に備わっている免疫機能が弱体化し、少しずつがん細胞の増殖を許すことになり、10年〜15年後に、ある日、目に見える腫瘍として発見されることになる。まさに生活習慣病と言われる所以である。

 がん発生のメカニズムが、このように長い年月をかけ複雑な要因が絡み合っているとするならば、対照療法的な西洋医学だけで完治するとは思えない。このメカニズムを改善することが、究極のがん治療法であろう。
 従来の西洋医療に伝統医学や民間医療といった保険適用が少ないジャンルを統合させて治療を行う統合医療は、がん治療には最も相応しい治療ではないだろうか。

 患者・家族の方は統合医療の必要性を経験的に認識しており、今回の厚生労働省の統合医療プロジェクトチーム(PT)の活躍を期待したい。
2010年5月 安吉一郎
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