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     乳がん体験記

再発乳がんを告げられて(1)    /  とがわのりこ  (2010.09.28)
Profile
がん・バッテン・元気隊事務局長のとがわのりこです。実は私もがん患者です。 それも、再発乳がんの…。

コスモス畑の夕暮れ
まさか…私まで?
 初発は2007年初夏でした。出産から2年が過ぎた頃、授乳を終えてしぼんだ左側の乳房に、8個の悪性腫瘍が見つかりました。
 当時私は、実母を看取ったばかり。胃がんからの転移・治療を4年近く繰り返した母の、四十九日も済んでいない時期でした。
 母を看取って下さった先生に、たまたま「左胸にしこりが…」と何気なく言った一言が、乳がん発覚のきっかけでした。念のため、と近くの大学病院を紹介され受診すると、次から次に検査の予定が組まれました。

 まさか…私まで?私も母のように逝くの?2歳の子どもを遺して?あと何ヶ月生きられるの?目の前が真っ暗になりました。

 私たちは結婚直後、実家からは離れて夫婦二人で暮らしていました。私の父が要介護の身体となり、母の胃がんが分かり深刻な状況でしたので、両親の世話をするためにと夫が同居を引き受けてくれました。母が亡くなり、彼も落ち込んでいる矢先に今度は私が乳がん!なかなか言い出せず、私が夫に『告知』したのは2週間後でした。

 一番大きな腫瘍は3センチ近くありました。まず、半年間の化学療法(FEC+TXT)でがんを小さくし、その後に手術で乳房全摘出・リンパ郭清をしました。
 術後はホルモン療法がスタートしました。術後も、転移・再発に神経質になり、『私いつ死ぬの?どうなるの?』
どれだけ眠れない夜を数えたことか…。鬱々とした日が続きました。

乳がん告知を受けた頃…大切な家族
『元気が出るがん患者のつどい』の講師・波多江伸子さん
  そんな頃、西日本新聞天神文化サークル『元気が出るがん患者のつどい』の受講生募集広告が目に留まりました。元気が出るならば…と思い参加を決めました。
 講師の波多江伸子さんを中心に、同じ病に悩む気持ちを分かち合い、また母のように姉のように寄り添って下さる皆さんと過ごす『つどい』は、私にとって気持ちの安らぐ居心地の良い場になりました。

 誰かの悩み・再発・転移・治療方法など、皆で考え最良の策を講じていく。時には家族の愚痴もこぼしつつ…。
 波多江伸子さんは『がん・バッテン・元気隊』の代表でもあります。元気隊主催の博多どんたく港祭りパレードにも誘っていただき、『つどい』のメンバーも黄色いTシャツを着て参加しました。『私達がんだけど、こんなに元気に笑顔で生きてますョ〜!』との思いをアピールするために。

 そうしてやっと、がんと向き合い暮らせるようになってきた今年2010年夏、再発・転移が発覚しました。

 乳がんは、再発させないことが治療の目標でもあります。再発すると事態は深刻です。初発時のように、がんを消し去る治療ではなく、現在の生活レベル(QOL)の維持を優先に考えた緩やかな治療になります。それで、どこまで生きていけるかです。

 現在、私の主治医は、ちょっと強面(先生ごめんなさい)だけどとても優しく、私が生きるための方法を一緒に考えて下さるK先生。今年の初めに、家の事情や通院の都合で、初発時の手術・治療とお世話になった大学病院から転院して廻りあえた先生です。
 患者さんも多くお忙しい中、私の質問にも丁寧に、難しいことも分かりやすく説明して下さいます。
 これは、当たり前のようですが、そうでないお医者様も結構おられることを、患者会ネットワークの事務局をしていると聞くことがあります。信頼できる医師に出会えた私は幸運でした。

再発の夏…庭の朝顔 (2010年夏)
再発が確認...頼れる仲間たちがいる安心感
 再発を告げられたのは、定期のCT検査を受けた後、診察室に呼ばれた時。転移・再発への不安はありましたが、特に痛みもなく不調でもなく、また今回も『異常なしやろ』と思っていました。

 私の初発時の状況をご存じないK先生から、『3年前は、どの辺りに腫瘍があったか覚えてる?』と尋ねられ、私は『ん?一番大きいのはこの辺でした』と左胸の中央寄り上部を指差しました。
先生は深くため息をつかれました。

初発時に大きな腫瘍があったごく近くのリンパ節が2センチほどに腫れていたのです。その後、PET・MRIと検査を重ね、再発が確認されたのは、両側胸骨傍リンパ節と左鎖骨上リンパ節の合計3か所、それに右肩甲骨に骨転移が1か所でした。

 臓器には転移していない?治療は何ができる?手術はできる?放射線は?抗がん剤は何が使える?知りたい疑問が次々に湧いてきます。

K先生からは、標準治療として何ができるのか丁寧にゆっくり説明していただきました。何種類もの薬(化学療法)が使用可能だということ、今後も新しい治療薬が出てくるであろうこと。がん患者の先輩方から教わった知識や、頼れる仲間たちがいる安心感も私の心を落ち着かせ、初発のときより冷静に説明を聞き、治療の選択・判断ができたように思います。

さぁ!これからが勝負!!私の底力の見せ所です。